採用広報・採用ブランディングコンサルティングのカキモトリクオフィスです。
採用広報に取り組んでいる多くの企業が、スタッフや経営陣への取材記事を制作しています。採用広報コンテンツとして最も一般的、と言ってもよいのではないでしょうか。
そこで今回は、採用広報における取材記事の制作方法を説明します。
取材記事制作の流れ
取材記事の制作ステップは基本的に取材→制作→公開、の3ステップですが、何の準備もしないまま話を聞いて記事にまとめるだけでは、効果は期待できません。
採用部門や広報部門が担当している企業では兼務の場合も多いでしょうから、それぞれのステップに十分な時間をかけられない、という面はあるかもしれません。しかし、取材記事の制作プロセスをより細かく分解して、ステップごとに工数をかければ、採用広報の効果はさらに高まります。
カキモトリクオフィスではひとつの採用広報コンテンツを次のステップで制作しています。
1.企画
2.取材・撮影
3.制作
4.チェック
5.公開
6.活用
6つのステップごとに、詳細を解説します。
1.企画
採用広報の取材記事を制作するにあたっては、企画をしっかりと立てておきましょう。「誰に対して」「誰が」「何を伝えたいのか」を明確にしておきます。
「自社に関心を持っている層に対してなのか」それとも「まだ自社を認知していない層に対してなのか」によって、記事の構成は変わってきます。
「誰が」も大切です。有給休暇の消化率の高さを語るのに、経営者が「我が社の有給休暇消化率は高いです」と述べるより、スタッフが実際に「有給休暇は取りやすい環境です。みんな100%消化してますよ」と語ったほうが、説得力は増すかもしれません。
「何を伝えたいのか」は企画ステップの核となる要素です。取材記事を読んだ求職者の心に何を残したいのかを意識しましょう。採用ツールでは語られていない事業の面白さなのか、社風の良さなのか、ワークライフバランスの充実なのかなど、「何を伝えたいのか」はさまざまです。
そして、ひとつの取材記事で残せる印象は多くありません。目的を絞って企画を立てましょう。
企画は「取材メモ」の形で取材記事制作の目的とともに質問項目の一覧としてまとめた上、取材対象者に対して事前に渡しておきます。取材当日、円滑に話せるよう準備していただくためです。
2.取材・撮影
取材当日は撮影に適した場所で行いましょう。会議室などになりがちですが、閉鎖的な空間より緑があったり、陽の光が入る場所のほうが開放的な印象が増しますのでオススメです。
あまり面識がない相手が取材対象者の時はアイスブレイクタイムを設けます。相手の心を開かせ、いかにして本音を導き出すかという点も取材においては重要なポイントです。
若手社員が普段滅多に会うことのない社長相手に取材しても、相手から多くを引き出すのは難しいですよね。取材者側もリラックスして、突っ込むべきポイントをしっかり突っ込めるような人間関係をその場で作り出すことです。
取材は事前に用意した質問項目をひとつずつ順番に進行させる必要はありません。話の流れによって順番を変えたり、当日「ここを膨らませたい」と感じた部分を重点的に質問するなど臨機応変に対応すべきだからです。
撮影は可能な限り、取材者とは別に用意しましょう。取材中の真剣な表情や、笑顔を撮り逃さないためです。撮影者を用意できない場合は、取材後に何パターンか撮影します。
カキモトリクオフィスが撮影を担当する場合、1回の取材で数百枚の写真を撮影しています。いわゆる「いい表情」はそれほど多く撮れないためです。
取材記事をWantedlyに掲載する場合は、カバー画像にかなり横長の画像が推奨されていますから、構図にも注意しましょう。
3.制作
取材後は記事の制作に入りますが、記事制作のステップは3つに分けて考えましょう。「書き起こし」「構成」そして「制作」です。
書き起こしは取材の際に語っていただいた内容を、そのまま文章に落とし込む作業です。
書き起こしには「素起こし」「ケバ取り」「整文」がありますが、ここでは「素起こし」である必要はありません。語っていただいた内容を空気感とともに文字化するのが目的であるためです。
1時間の取材を書き起こすのに数時間は必要ですから、文脈上大切ではない「えー」「あのー」などを除去した「ケバ取り」ベースで構いません。取材と書き起こしを数多くこなしていくうちに、書き起こし段階で「整文」に近づいていくでしょう。
書き起こしたら、記事を実際に制作する段階に入ります。まず、取材記事の流れを考えて構成を組みましょう。
取材で相手が語った順序の通りに記事化する必要はありません。話の流れや「何を伝えたいのか」を考えながら、起承転結で記事を組み立てるとよいでしょう。
構成を組めたら、文章を整え写真を選定し、記事として完成させます。
4.チェック
取材記事が完成したら、チェックのステップに入ります。チェックは原稿の執筆担当者と、それ以外の社内担当者に分けて考えましょう。
執筆担当者は当然ですが誤字・脱字をはじめ、記事として正しく成立しているかしっかりと確認します。同時に、レギュレーションに照合する作業を行います。レギュレーションとは原稿制作上の規定であり、取材記事に限らず事前に定義しておくルールです。
例えば表記の統一があります。記事内で「社員」と書くのか「従業員」なのか「スタッフ」なのか。また「エンジニア」を用いるのか「技術者」とするのかなど、記事内あるいは記事ごとに表記が揺れないよう統一するために利用します。
ほかにもタイトルや章の見出しに「H2」「H3」どちらを使うのか、写真のキャプションはどうするのかなど細かく設定しておきましょう。
社内担当者のチェックは可能な限り複数で行うのがオススメです。役職者と一般社員、また部署によって視点が異なるため、多様な観点から確認したうえで公開するのが望ましいためです。
コンプライアンス担当部門や広報部門から思わぬ指摘が入る場合もあります。
5.公開
記事を公開します。社員の皆さんにいいね!やSNSによる拡散もお願いしましょう。企業SNSアカウントからの告知も必須です。
6.活用
採用広報コンテンツは公開で終了というわけではありません。採用活動で有効活用できるからです。
ダイレクトリクルーティングで該当職種や該当部門の社員取材記事や経営陣がミッション・ビジョン・バリュー・パーパスを語る記事をスカウト内に添えれば、より深い理解や共感を促せます。
またエージェントに対して関連する採用広報コンテンツを届け、エージェント自身の企業・職種への理解深化や候補者アプローチに利用していただくこともできます。
さらに面接の際、該当する面接官の取材記事を候補者に送付すれば、どんな採用担当者が面接を担当するのか事前に把握可能です。
入社した社員に採用広報コンテンツに関するアンケート調査を実施すれば、魅力を伝えるのにどんなコンテンツが効果的なのか分析し、今後のコンテンツ企画にも活かせます。
最後に
取材記事の制作はとても時間のかかる作業です。
数時間は必要な書き起こしをはじめ、数百枚から最適な写真を選定する作業や構成を組み原稿として完成させ、チェックまで含めれば専任の担当者を用意しても月に2~3記事が限界ではないでしょうか。兼務であれば月に2本制作するのは難しいかもしれません。
そして、採用広報コンテンツは数多く蓄積するほどさまざまな職種やターゲット層への効果が見込まれます。毎月2本の制作体制で臨むと、年間の公開本数は約20本程度となります。年末年始やGW、お盆期間など公開本数が減る月もあるためです。
社内の負荷を最小限に抑えるとともに、高品質なコンテンツを継続的に制作し蓄積していくためには、外部コンサルタントへの依頼も検討してみるとよいでしょう。
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カキモトリクオフィスでは、上場企業からベンチャー企業まで、採用ブランディング・採用広報のスペシャリストとしてプロのノウハウをすぐに活用していただけます。
ワンストップでサービスを提供しているため、戦略設計からコンテンツ企画、経営陣や社員への取材と撮影に記事制作、KPI管理とご報告まですべておまかせいただけます。
もちろん、「記事を制作する余裕がないから取材記事の制作だけ依頼したい」というご要望にもお応えしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。採用広報や採用ブランディングに関するオンライン相談も承っています。
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